効率化と標準化

前回の続きです。

会社に危機をもたらす「属人的な仕事の仕方」、経営者の中には、なかなかこの部分にメスを入れることができない方もおられるようです。
・理由としては・・・
 ・他の社員も忙しいので、それぞれの仕事をしっかりやるしかない。
 ・社員も一生懸命にやっているので、仕事を疑うようなことは言いづらい。
 ・中小企業は人材不足なので今の人材で何とかしなくてはいけない。なので属人化しても仕方がない。

これは、社員にとっては「とても気持ちのいい会社」です。なにせ、自分が経営判断を下せる立場(自分しかわからないから、自分がダメと言ったら経営者は従うしかない)にいるし、どんな不正をしていたとしても、誤魔化すことが可能だからです。 しかし、会社にとってはどうでしょうか?

ここで、登場するのが「標準化」という手法です。
手っ取り早く言えば、「マニュアル化」です。平成のマニュアル世代は悪いことばかりではなく、キチンとマニュアルを作っておけばその通りにやってくれます。これは、ほとんどの仕事は誰でもできるという証明です。
しかし、これに取り組んで起こる失敗もあります。 それは、「マニュアルを読まない」という無惨な結果です。

この原因は、仕事の仕方が属人化したままでマニュアルにすると重要な部分が本人に属するためブラックボックス化することで発生します。 これを防ぐのが「効率化」となります。
トップダウンで、効率化するときに必ずセットでITシステムの導入があります。このシステムにはほとんどの仕事のブラックボックス部分を明確にして共有し、更に誰でも簡単に操作が行えます。
この導入とセットでマニュアル化を行えば、そのマニュアルは「システムの入力方法のパターンを表したもの」になります。「仕事の運用手順書」なのです。 新入社員でも単純なことならマニュアルを見たらできるのです。

しかし、根強い考えとしてあるのが「私たちの業界は割り切れないことが多い。そんなにパターン化した仕事では通用しないし、簡単ではない」というものです。
果たしてそうでしょうか? この考えの裏にあるのは、時代の変化に対するアレルギーだと思います。
おそらくは、人の心の中を推測する仕事の仕方、業界特有のしきたりや考え方を守ることだと推測しますが、本当にそれをお客様は望んでおられるでしょうか? 属人化と同じで、この殻に居たほうが居心地がいいから、会社自体が気持ちいからという考えだと思います。お客様のお考えではありませんね。

コロナ禍のように変化は突然訪れます。そして、時代は大きく変化しました。今までの価値観はこれから通用しなくなると思います。 まずは、会社の体質改善を効率化&標準化により行いましょう。

次回は、標準化の先にある、多能工化について書いていきます。

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